テスト技法といえば、G・J・マイヤーズの「ソフトウェア・テストの技法」やボーリス・バイザーの「ソフトウェアテスト技法-動化、品質保証、そしてバグの未然防止のために」など古典が有名。理論的な内容だけど、なかなか難しいという印象が強いともいえる。それに対して、この本が「ドリル」という形で読者に訓練・経験を促すのは、勉強しただけで使えていないテスト技法をより実践的なスキルにするため。テスト技法はそれひとつでは銀の弾丸にはなり得ないが、組み合わせて使えば十分強靭な武器になる。自分も含めて、知ってると思っている技法についても振り返りながら演習を解いてみたい。
第1章は「点に注意を向ける」という副題。章のトビラページにはポリアの「いかにして問題をとくか」の言葉が添えられている。ここでは問題解決のための突破口となるコツが「例示」「間」「類推」「外側」「意地悪」というキーワードで紹介されている。こういったキーワードで整理されることによって、枚挙という作業がより効果的になるような気がする。そして「技(わざ)」が「術(すべ)」に変わるのだ。
バグ票をシャワーのように浴びることがよい訓練になる、という記述がある。昔から言われていることだが、プログラマにとっては自分以外のコードを読むことも似たような訓練になるよね。怪しいところを見つける「想像力」のトレーニングに通じる。自分はどうやってコードを読んでるのだろうか。
そういえば、コツは「骨」のことらしい。第1章はまさにテスト技法の骨格といってもいい。
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